aiko yagura indigo pottery

兵庫県篠山市の里山で 器を作り 田畑の恵みを頂く日々

失敗豆腐からの、おからブラウニー

 全くブログを更新せずに、早1年が経とうとしています。

 

 子育てをしていると、なかなか・・・。

 最近読んだ、山下清のヨーロッパぶらりぶらりという本の中で、山下清が、つきそいの先生に

「清はしあわせになりたいとおもったことはないのかな」と聞かれて

「しあわせになれるかどうか、さきのことはわからないな。ぼくはしあわせでも不しあわせでもなくて、いつもふつうだな」という文章が出て来て、印象に残った。

 

 最近、子育てって修行みたいなものだと思う。時々、歯をくいしばっている(私は唇を噛むくせがあるので歯はくいしばらないけど)ようなときがある。1歳になった息子はとにかく遊びたいので、彼が何かで遊んでいる隙に自分のことをすると、しばらくしてかまってくれとやってくる。そして、泣いたりさわいだり、はたまたこけて転がって泣いたり、椅子によじのぼったりと目が離せない。放っておくとかわいそうなので、こっちも何をするにも大急ぎでよく失敗する。

 

 今日は、3日ほど水に漬けていた(放置)黒豆で豆腐を作ろうとして失敗した。

 久しぶりに豆腐を作ろうとしたのだけれど、豆腐を作り始めてから本を見ると、まず生で豆をミキサーにかけなければいけないところを、すでに茹でてしまっていた・・・。終わった・・・と思ったが、一応最後まで作った。結局、豆腐は固まらず、少量のどろりとした豆腐クリームが出来あがり、同時に大量のおからが出来た。

 やはり息子が起きているときに、豆腐作りに着手したのがそもそもキャパオーバーだったのか。

 そして、大量のおからで今度はブラウニーを作った。

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 なかしましほさんの本を参考に、レシピをだいぶん変えておからを入れて作った。

 本のレシピでは、ピーカンナッツを80g入れているんだけど、代わりに生のおからを60g投入し、煎りピーナッツを刻んで少し入れ、生地の上にはクルミを少しのせた。本のようなきれいな焼き上がりではないけどおいしくできた。普通のブラウニー自体食べたことないんだけど多分成功じゃないだろうか。

 子育ては修行のような瞬間も結構あるんだけど、息子をおなかの上にのせて寝かせるときとか、声をあげて笑うところを見たりとか、膝の上にのせて絵本を読んだりとか時々すごく幸せな時があるから、平均すると゛普通”かもしれない。いつも普通なんじゃなくてでこぼこ感情が揺れ動いている。

 

 山下清が、゛ふつう”というところが印象に残ったのは、なんだかとても正直な感じがしたからかなあと思う。あと、いつもふつう、というのが淡々としていて面白いなあと。普通の人生は、ありがたく幸せなことだと思うので、だいたいの人は幸せだと言うのかもしれないが、彼はふつうだなと感じるままに答えているところが面白いなあと。

 ところで、今回、豆腐はできなかったけど、ブラウニーは成功したので、たまにはキャパオーバーかもしれないことをやるのもよいなあと感じた。ちび助がいると、何となく無理だなあとあきらめがちになるけど、ちょっとずつ動いていく。

 ちなみに、おからブラウニーの小麦粉と、ピーナッツとクルミと黒豆のおからは家の畑でとれたものです。息子がお昼寝中のお茶タイムは至福のひととき。

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